夢を見たから本物になりたい【能島】
ここは暗くて寒い僕の世界、輝いていた日が懐かしく思う。
他人とは違う見た目を持ち、他人とは違う意志を持っている。
あの子達に近づくと思えば思うほど、人間の魔法使い達を憎く思ってしまう。
でも光がなくなった今も、魔法使い達を憎く思っている。叶うはずもないのに願ったり叶ったり。
いずれ僕は忘れられるだろう。霧のごとく消えていくんだ。もうだれも見てくれないのなら、消えるのは当然だ。
……
…ん?僕は消えてない?
「…も本物なんだよ。この世界は全てを受け入れる場所だから」
誰かの声が聞こえた。優しくて暖かい光のような女の子だった。
「また夢を叶えよう。きっとまた見てくれるから!」
…夢か、そうだ忘れてた。僕は周りが輝くのを妬んで、自分が生まれた理由と夢を忘れてた。また…なりたい、あの子達に会えるならば。
また、本物…に…いやもっと大きい声で言う。
「絶対に本物になりたい!!」
今までの僕の暗くて寒い世界はだんだんと溶けてゆき、夢を描く世界になっていた。